イタリアに行ってコックになる 井川直子 柴田書店
リトルターン ブルック・ニューマン&リサ・ダークス(五木寛之 訳) 集英社
今回は私が飲食業界に進むことを決意した本を2冊紹介させて頂きます。
大学生3回生が終了したときに、特に何も考えることなく世界への旅に出ました。
外国語学部という周りの皆が世界に出ていたこと、バックパッカーをしていた先輩の影響など諸々理由はあるんですが、特に自分探しとかいう意味もなく、ただ世界を直に見て、経験して視野を広げたいと思い半年近くの旅へ出発しました。
帰ってきてサラリーマンになったらこんな長く旅できないよなぁと思いながら。
アジア、東欧を経た旅も西欧にさしかかり、フランスの小さな田舎町に着いたとき、フランス料理修行に来ている日本人に出会いました。
そして、フランスだけど「イタリアに行ってコックになる」という本が部屋に置いてあり見せて頂きました。
題名通り24人のイタリアに修行に来ている(もしくは来ていた)日本人料理人のインタビュー形式の本。
皆それぞれのバックグラウンドがあり、現状への葛藤や感動があり、夢や想いを垣間見えるそんな本だったと覚えています。
その時、フツフツと自分の中で何かが沸き起こっていきました。
実は、高校時代に料理の専門学校に行くか大学にいくかをすごく迷いました。進学校ということもあり周りのほとんどは大学へ。
結局損得を考え、本気で夢があれば大学行きながらでもバイトできるや、と思い結局は大学へ。
最初のうちはイタリアンレストランでアルバイトととして働かせてもらったんですけど、遊びや部活に明けくれ、いつしかそのバイトをやめてしまったという過去がありました。
また部活のOBさんは皆ビジネスマンとして活躍されていて、このまま普通に就職しようとも思っていました。
旅で出会う方は日本人、外国人問わず何か目的を持ってきている方が多かった。中国で日本語学校をはじめに来た方、モンゴルの湖ででスキューバダイビングを始めようとした方、そして実際に本に書いてあるような料理を修行しに来た方。
「あれ、オレの夢ってなんだろう。サラリーマンになったら.‥って何だよ。」と悶々としていました。
その後、旅を続けイタリアへ。
イタリア・ナポリの地ではナポリピッツァの修行に来ている日本人の方の家に泊めていただきました。
その出会いは衝撃で、この夜は旅の疲れがあるのに興奮し目が冴え、誇張ではなく本当に眠ることが出来なかったのです。
料理やりたい、と素直に思いました。
そしてその家で「リトル・ターン」という本にも出会いました。
綺麗な挿絵が入った短い物語。
飛ぶことを忘れた小鳥が、旅を通じ、存在の意義を考え、本当に重要なものは何かと自問し、本質を見出す話。
境遇を自分と重ね合わせて読め、点から点へすぐに移動しつづける旅にも少し疲れ、ベストのタイミングだったのかもしれません。
この本に出会いとにかく飛んでみることを決意し、現地のナポリピッツァの店に飛び込みで修行することに決めたのです。
そしてそのまま飲食業界へ。
この6年ほど紆余曲折がありましたが、来年には自分で店をオープンするつもりでいます。
振り返ると、この2冊に出会ったことが人生の岐路であったといっても過言ではありません。
この道に進むと決めたからには頑張ります。
イタリアに行ってコックになる―24 stories of Japanese in Italy. | ||||
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リトル ターン | ||||
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