20150627

なぜ3年やってこれたのか 番外編

なぜ3年やってこれたのか①
なぜ3年やってこれたのか②

前回に続き、3年を振り返って。

ヨメのおかげ

少し恥ずかしいのですが、ヨメには大変感謝しています。

ソムリエとして、ムードメーカーとして、PRの担当として、アイデアマンとしてお店に多くの貢献をしてくれました。

オープン後1年半後に店にスタッフとして入社してくれたのですが、前職は東京でも有名なイタリアンレストラン。
笑顔あふれる接客でファンも多くいたようです。


多くのレストラン関係者の方にチーズを使って頂けていたり、レストランで食事をされるような食に対する意識が強い方、イベントでお声がけ頂けたのも彼女がそのレストランでがんばってくれたおかげです。


オープン前大病をして入院、手術をしたもののオープン後に何度笑顔に救われたか。
この場を借りて御礼を言わせていただきます。


ぐらっつぇ


ハンズのおかげ


照れ隠しにもう1個。

近くに東急ハンズさんがあったおかげ。
何度も何度もDIYしてきました。

カッティングボードからメニューボード、看板、バックヤードのさまざまなもの。
ネジから水廻り品、牛廻り品まで。

故障や不具合があっても歩いて5分。

東急ハンズのアプリの経験値ランキングが100位を切ったこともありました。

次の店も東急ハンズさんの近くがいいなぁ、と思ったけど限られるなぁ。

チーズと経営

なぜチーズビジネスをしているのか



「論語と算盤」

のように、言葉の組み合わせでいかにも経営者らしいタイトルを付けて書いてみようと思ったけれども、一気に牧歌的になってしまいました。。。


チーズと経営。


なぜ、酪農系の勉強もしておらず、親族に酪農関係の仕事をしている者がいないのに、チーズを作り、チーズを使った飲食店の経営を始めたのか。


ただ、メディア向けのインタビューではなかなかうまく説明することができなかったり、本心が伝わらない部分がありました。


チーズが好きだから、といえばそれまでなのですが私には想いが有ります。

私の想い


それはチーズという媒体を通して「価値を生み出し世の中を少しでも良くしたい」という想いいです。

何をおおげさな、チーズごとき(チーズLoversの皆さま すみません。。)でという声も聞こえてきそうですが。


最近、元LINEの森川さんの著書「シンプルに考える」を拝読しました。

会社はなんのためにあるか?僕の答えはシンプルです。世の中に価値を提供するためにある。これがすべてです。もちろん、利益も大切です。利益が出なければ会社を存続させることはできません。しかし、利益が出るか出ないかは結果論にすぎない。価値を提供すれば、その結果として自然と利益はついてくるのです。

俺の〜という押し付けでもなく、利益だけを追求するのでもなく。

会社を成長させるため、スタッフが幸せになるためには利益が必要なのは言うまでもありませんが、利益が目的になってはならない。
皆が笑顔になるような価値を生み出す。


出来たてチーズの美味しさをより多くの方に味わっていただくことで、新しい体験、感覚を体験し、カルチャーが出来てほしい。食生活が少しでも豊かになってほしい。

他にも生きているからには、社会に貢献できればとも考えています。

10年ほど前から卒論で酪農のことを調べている際に酪農家が減少傾向になっていることを知りました。後出しになってしまいそうですが、そういった面からも社会貢献できればと考えています。

新しい価値を生む

話は変わって、司馬遼太郎の小説が大好きで、
そこには登場人物の葛藤やリーダーとしてのあり方、失敗が書いてあるだけでなく、男のロマンがあるからに違いありません。

有名な教科書に載っているような志士の他にも、
不利な状況でありながらも、藩のために忠誠を尽くした河井継之助。
軍事家として長州を導いた大村益次郎。

幕末に生きた侍たちは、各々の思想を持って行動していた。「日本を良くしたい」「新しい国をつくりたい」という想いがあったのだと思います。

Soup Stock Tokyoなどを手がける株式会社スマイルズの社長・遠山さんがスープを通して「世の中の体温をあげる」と言われていますがまさにこれです。


私も価値を生み続けていきたい。社会、人々のライフをより豊かにしていきたい。

そういった想いで今後も経営してまいります。
そして論語と算盤ではないですが、倫理をしっかりと持ち、社会に貢献・還元できるようにしていきたい。

もちろんチーズ大好きです。



20150607

なぜ3年やってこれたのか②

前半はこちら


  SNSのおかげ


これはとてつもなく恩恵を受けていると思います。

面白いデータが有ります。
若干古いのですが総務省の「情報通信白書(平成24年)」

最初の「図表2-3-2-10 ソーシャルメディア利用者数の推移」を見ていただくとわかるかと思いますが、2011年でFacebookのアクティブユーザー数は5倍〜6倍となっています。

肌感覚としても2011年〜2012年は周りの友人が登録している時期でした。
そして今でこそ閲覧しかしていない人もまぁまぁ皆さん投稿していたはず。

想いをみなさんがシェアなどしてくださり、オープン前には1000いいね!ぐらい頂いていました。

広告宣伝費にまわす資金の余裕がないのに、そのような時代にオープンできたのは幸運でした。


今でも看板娘でもある牛の前で多くの方が写真を撮ってくださり、多くの方がFacebook、twitter、LINE、instagramなどでアップしてくださっているのはとてつもなくありがたいことです。


あ、せっかくなのでinstagramも始めてみました。
お店アカウント: cheese_stand


  卸のおかげ


CHEESE STANDでは飲食やチーズの店頭販売の他にもオンラインショップをやっています。さらにはレストランでご使用いただいたり、ワインショップや高級スーパーなどの小売店にも並べて頂いております。

ミシュランに掲載されているようなお店や和食やバーに至るまで多くのシェフの手により様々なアレンジをしていただけることは作り手としては大変やりがいのあることです。

また東京だけでなく、広島、仙台、名古屋、静岡、大阪、京都など地方のレストランの方にも使って頂いております。

そうやって多くの場所で目にしていただくことで、ブランドとして知名度が広く行き渡ったはずです。


少し足踏みをしており最初の目標には達していませんが、Facebookの「CHEESE STAND」のページは5,500以上の「いいね!」を頂いております。

LINEスタンプや求人以外では広告は出していませんが、これだけの「いいね!」を頂けたのは利用いただいている飲食店さん、小売店さんのおかげでもあり大変感謝しております。


  メディアのおかげ


他にない業態のため、多くのメディアに取り上げて頂けました。
正確には記録できていませんが、新聞10紙 雑誌90誌ほど テレビ30本ほどに取り上げていただきました。ありがとうございます。

原則として頂いた取材依頼はお断りせず、ありがたく出演させて頂いております。
これには理由がありますが機会をみてブログで書かせいただきます。

また、チーズがあくまで素材であるため

  • オープン時
  • 専門店特集
  • 地域特集
  • ブッラータなど単品商品
  • 手みやげ特集
と様々な異なる特集でご紹介頂きました。

  販売形態


最初に飲食店の生き残り何%と書いておいて、若干訂正します。

CHEESE STANDでは飲食店以外にも物販(チーズ並びにチーズの関連商品、ワイン)、前述の卸、オンラインショップという3本の軸で販売を行っています。メーカーでもあるため純粋なレストラン等の飲食店とは異なります。

最初にお店をオープンする前に異業種の経営者の方に
「僕ならオープンする前に卸先をみつけておく」
と言われてたのが、いまでも心にしみついています。リスクを最小限に抑える経営者の方らしいご助言でしたが正にその通り。

売上比率でいうとまだ飲食の部分が大きいのですが、卸などの売上があることは非常に心強いです。


実は卸を含めたこのような業態をやられているところは少なく、同じような業態ではレストランoginoをされながら、table oginoやパテなどをデパ地下や駅ナカ、更には卸で販売するなど手広くやられている荻野伸也さんをベンチマークし、勉強させて頂いています。



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他にも「ヨメのおかげ」「牛のおかげ」なんて項目で書くことも出来ますが今回はやめておきます。

ようやく1人前になれたので、今後はあまり年を気にせず振り返りもせず前へ突き進んでいきます!

20150603

なぜ3年やってこれたのか①


6月4日を持ってSHIBUYA CHEESE STANDは3周年を迎えます。

人間でいうと七五三の三。
ようやく1人前になった気がしております。

幸いにも接客業なので楽しいこと、嬉しい事も多いのですが、やはり毎日気苦労が多いし、考える事も多いです。肉体面でも年齢的になかなか疲れが取れにくくなってきました。
そんななかで飲食店の老舗の方にお会いしたり、開店20年なんてのを聞くとこれはもうただただ尊敬するばかりです。

というのも飲食店は1年で34.5%、2年で49.7%、わずか2年で半数近くが閉店するといわれてます。(株式会社・シンクロフードのサイトより引用)

新規参入が容易でありながらも競争が激しすぎる業界であり、その半分に残ることが出来ました。今考えるとオープンできたのも勢いでした。

そこで、なぜ3年やってこれたのか。
自分での整理としてもまとめてみたいと思います。


  あなたのおかげ


初っ端からこんなことを書くととてつもなく胡散臭くなってしまいますが、これは誇張でも大げさでもなく本心からです。

3周年を迎えるというこの文を書くときに、オープン時にお世話になった方々、オープン後、沖縄から北海道まで日本全国から来てくださった高校や大学の友人、ずっと会えていなかった小中学校の同級生、前職や前前職時の仲間、オープン後に仲良くなった友人、お世話になった生産者の方や業者の方、チーズ関係の方、チーズを注文してくれた皆さんの顔を思い出し今にも泣き出してしまいそうです。

もちろん私自身を知らないお客さまが大半かもしれません。

その方々を含め、今こうしてあるのは本当に皆さまのおかげです。

ありがとうございます。




  時期的なもの






図をみていただければわかりますが、ここ何年かでワインの消費量も増え、チーズの消費量ならびに国産チーズの製造量も増えています。

2014年はグラフには反映されていませんが、チーズの消費量も過去最大となり、国内のチーズ工房は200を超えていると聞いています。

そしてCPA(チーズプロフェッショナル協会)の方々も増えチーズ文化を浸透させるために多くの講演やプロモーションをやられています。

チーズ生産者、消費者を結ぶ役割をしてくださっています。

こういった時代背景があることも要因の一つです。
また後述しますが、SNSが広まった時期であったことも要因です。



  地域のおかげ


よく「CHEESE STANDはわざわざ行く場所なのに・・」なんてことを多くの方に言われるます。
どの駅からある程度距離があります。渋谷からだと雑踏を抜けてこなければいけません。


ですが、このエリアはわざわざ行く価値がある個性を持った店が連なっています。

もちろんこの地域が好きで選んだのは私自身でありますが、特集があったり多くの素敵なお店が出来てきたりと、この地域に助けられた面があります。


渋谷がニューヨークだとしたら少し離れたこのエリアは1店1店個性があるブルックリンのよう。
チェーン店もほとんどありません。
ばっと羅列してみます(ので、お詳しい方は飛ばしてください)


  • 神山町の顔でもある素敵なセレク都の本屋のSPBSさん、魚屋の魚力さん
  • 富ヶ谷の顔でもあるチョコレートのTHEOBLOMAさんや半年ほど前からできて話題のMinimalさん。
  • 同時期にオープンしてカルチャーを作り上げたFuglenさん
  • 手土産にも重宝するなナタ・デ・クリスチアノさん
  • パン好きの中でも評価が高い365日さん
  • 独自のセンスでセレクトされた雑貨とカフェのpivoineさんやME ME MEさん
  • 世界のMONOCLEさんまでも
  • 上質な生活用品を販売するartivandoさん
  • 花屋さんのNEO GREENさんも素敵です
  • 料理がべらぼうに美味しいビストロのsajiyaさんや、pignonさん、アヒルストアさんなどなど。

ちょっと参宮橋まで足を伸ばせばLIFEsonさん、TaruiBakeryさん、Little Napさんなんかもあります。
と羅列してみましたが、まだまだ紹介できないほどです。

SPBSさんやFuglenさんにはコラボでイベントをしていただいたり、初期にはアヒルストアさんにチーズを使っていただいたりと地域のお店さんに助けていただけました。

今後も色々と盛り上げていければうれしいです。

また公園近くにあることも有り、個々のライフスタイルを持った方々が多くいらっしゃいます。

そのエリアのおかげで実際、土日の上原〜神山町商店街、遊歩道はすごく多くの方で賑わっています。

ぜひ再度皆さま足をお運びください、笑。

後半に続く)