一店舗ではなく、会社にしたいと考えています。
大それたことを口にします。
ベンチマークしているのは、「スープストック」や「フレッシュネスバーガー」。
すごく勉強になるのでこの本を何度も何度も読んでいます。
スープで、いきます 遠山正道 新潮社
p.30 企画書は、もう既にそれが存在しているかのようなスタイルで書きました。企画が実現した未来のことを、さらに先の未来から振り返って過去形で書いたのです。そして、soup stockの名前も、ロゴマークも、商品の写真も、カップに入ったスープのポスターもつけました。
p.89 (2号店の失敗)ここでは、「この苦境は立地のせい」であり、「これを決めたトップのせい」ともっと割り切り、明るく自信を持って、「この店は商品とサービスが自慢、だけど空いているからあなただけの穴場だよ」、とでも言うような雰囲気を作るべきでした。
p.99 カテゴリーの中で一番になるには、カテゴリー自体を作ればよい
p.110 確かに以前よりも本部から店舗へ指示をすることが多くなっていました。そこには、ブランドとしてのイメージを統一して質をよくしていこうという狙いがあったのですが、現場にはその意図まで伝わっていませんでした。そのために、私に近いところにいる本部のメンバーが偉くて、現場は私の意図を想像するしかないという構図ができ、不満が蔓延していました。
p.111 それまで私は、「言いたいことがあれば、私を捕まえて、堂々と提案してほしい。自分もサラリーマン時代はそうしてきたんだ」と、私の信念を社員に伝えてきました。しかしそれは、上司との距離が近いとき、あるいは、将来像や仕事に対する考え方を共有しているときに初めてできることなのだと気がつきました。
p.120 店の予算というものは、まず年間予算があり、そこから月々の予算、日々の予算にブレイクダウンし、日割りの数字が出てきます。その数字を、去年の実績や、気温と売上の相関データ、今後の天気予報と照らし合わせ、スープの仕込みやパートナーの数を計算し、ムダをあらかじめ省いていく努力をしました。
p.123 五つの貴重な学習
一、(過去の)経営の不作為の帳尻は必ずどこかで合わせなければならないこと。
二、見たくない現実ほど早く見て早く対処を決める必要があること。
三、人材は、「やりたくて・やれる人」でなければ仲間も本人も苦労すること
四、言いづらいこと、大変なことを要求しあえることが、仲間の資格であること
五、スマイルズはどんな苦難のときでも、個人としてのユニークさとチームとしての強さを持ち続けられると言うこと
p.129 スマイルズの五感。
「低投資・高感度」「誠実」「作品性」「主体性」「賞賛」
p.134 ストアマネージャーとパートナーとの間でも「これ作品性高いかな?」「それは賞賛だね」など、経営会議でも、あるいは採用のときでも、五感に照らして評価したりします。なぜ、これほどまでよく使われ、上手く機能しているかといえば、どこかから借りてきた言葉ではなく、そもそも私たちの中にあった言葉だった、というのが非常に大きな要素だと思います。(中略)しかし、これを決めて実行したことに意味があったと思います。五つに決めて、使っていくうちに、スタッフそれぞれの中にスマイルズらしさというものが芽生え、宿り、それらがどんどん一つに集約され、「らしさ」が強固になっていくのを肌で感じます。
p.165 「正」という字は、「一」と「止」の字が合わさってできていると教わりました。「一」は、その横棒が正しい基準のラインを示し、そこにぴったり合わさって「止まる」のが「正しい」ということ。(中略)基準があるからがんばれるし、達成できれば喜べる、評価できる、共有できる。数字は冷たく見えますが、感情の領域を大いに耕すものなのだと実感しています。
p.168 たとえば百貨店の上層階にある「お好み食堂街」や駅ビルにあるレストランフロア。お腹を空かせたお客様が昼と夜に集まってくる場所です。そういった場所ではなく、もっと日常の生活動線上にお店をおきたいと思っています。ランチや夕食のためにスープを、と特定するのではなく、生活スタイルが多様化したこの時代に合わせて、ひとりひとりの食生活の各々のスタイルで、私たちのスープを取り入れて欲しいのです。
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