20110807

本の記録 / 出会いの本


イタリアに行ってコックになる  井川直子  柴田書店
リトルターン ブルック・ニューマン&リサ・ダークス(五木寛之 訳)  集英社



今回は私が飲食業界に進むことを決意した本を2冊紹介させて頂きます。


大学生3回生が終了したときに、特に何も考えることなく世界への旅に出ました。

外国語学部という周りの皆が世界に出ていたこと、バックパッカーをしていた先輩の影響など諸々理由はあるんですが、特に自分探しとかいう意味もなく、ただ世界を直に見て、経験して視野を広げたいと思い半年近くの旅へ出発しました。

帰ってきてサラリーマンになったらこんな長く旅できないよなぁと思いながら。

アジア、東欧を経た旅も西欧にさしかかり、フランスの小さな田舎町に着いたとき、フランス料理修行に来ている日本人に出会いました。

そして、フランスだけど「イタリアに行ってコックになる」という本が部屋に置いてあり見せて頂きました。

題名通り24人のイタリアに修行に来ている(もしくは来ていた)日本人料理人のインタビュー形式の本。
皆それぞれのバックグラウンドがあり、現状への葛藤や感動があり、夢や想いを垣間見えるそんな本だったと覚えています。

その時、フツフツと自分の中で何かが沸き起こっていきました。

実は、高校時代に料理の専門学校に行くか大学にいくかをすごく迷いました。進学校ということもあり周りのほとんどは大学へ。 
結局損得を考え、本気で夢があれば大学行きながらでもバイトできるや、と思い結局は大学へ。 
最初のうちはイタリアンレストランでアルバイトととして働かせてもらったんですけど、遊びや部活に明けくれ、いつしかそのバイトをやめてしまったという過去がありました。 
また部活のOBさんは皆ビジネスマンとして活躍されていて、このまま普通に就職しようとも思っていました。

旅で出会う方は日本人、外国人問わず何か目的を持ってきている方が多かった。中国で日本語学校をはじめに来た方、モンゴルの湖ででスキューバダイビングを始めようとした方、そして実際に本に書いてあるような料理を修行しに来た方。

「あれ、オレの夢ってなんだろう。サラリーマンになったら.‥って何だよ。」と悶々としていました。

その後、旅を続けイタリアへ。

イタリア・ナポリの地ではナポリピッツァの修行に来ている日本人の方の家に泊めていただきました。
その出会いは衝撃で、この夜は旅の疲れがあるのに興奮し目が冴え、誇張ではなく本当に眠ることが出来なかったのです。


料理やりたい、と素直に思いました。

そしてその家で「リトル・ターン」という本にも出会いました。

綺麗な挿絵が入った短い物語。
飛ぶことを忘れた小鳥が、旅を通じ、存在の意義を考え、本当に重要なものは何かと自問し、本質を見出す話。

境遇を自分と重ね合わせて読め、点から点へすぐに移動しつづける旅にも少し疲れ、ベストのタイミングだったのかもしれません。

この本に出会いとにかく飛んでみることを決意し、現地のナポリピッツァの店に飛び込みで修行することに決めたのです。

そしてそのまま飲食業界へ。
この6年ほど紆余曲折がありましたが、来年には自分で店をオープンするつもりでいます。

振り返ると、この2冊に出会ったことが人生の岐路であったといっても過言ではありません。
この道に進むと決めたからには頑張ります。


イタリアに行ってコックになる―24 stories of Japanese in Italy.

井川 直子 柴田書店 2003-11
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リトル ターン

ブルック・ニューマン 集英社 2001-11-08
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20110804

本の記録 / V字回復の経営

物語形式になっているので読みやすく、すごく勉強になります。

多くの経営者の方が推薦されているので、少なからず同じような経験をされているのでしょうか。

やっぱり覚悟なり、リスクをとる必要がどう考えても必要なのだと考えます。
自分は出し切っているか?リスクを取ることを選択しているか?

V字回復の経営  三枝匡  日本経済新聞社

p.8 「企業戦略の最大の敵は、組織内部の政治性である」(中略)ここでいう組織の政治性とは、会社の中の派閥のような話ではない。一緒に飲めばとても楽しく、性格もよい普通の社員が、危機感の欠如と変化への恐れから、新しい変革に背を向け、身の安全を図るのである。

p.18 しかし社員が社長と一緒になって考えてくれるなどというのは幻想に過ぎない。社長こそが新しい考え方を模索し、それを提示し、そして社長が自ら行動しなければ、何も起きないのだ。

p.24 組織の危機感を高める経営手法は「危機感が足りない」と叫ぶことではない。経営風土を変える経営手法は「風土改革をしよう」と叫ぶことではない。社員の意識を変えるために「意識改革をしよう」と叫んでも意識は大して変わらない。

p.32 組織の「政治性」は「戦略性」を殺す力を持っている。政治性は、個人の利益・利害の混入、過去の栄光への執着、個人的好き嫌いなどによって生まれ、「正しいか正しくないか」よりも「妥協」重視の組織風土を醸成する。

p.41 改革者が有効な手を打つための第一歩は「事実の把握」だ。自分で組織末端を歩き回り、「ハンズオン」つまり自らの手で現場の細目に触れて事実を確かめなければいけない。そこで見る景色の中に必ず「改革の押しボタン」が隠されている。それは、それなりの考え方と経験をつんだものだけが見分けることのできる押しボタンである。改革者は多くの社員に会い、新しい「ものの見方」を語る。そのストーリーがシンプルで正しいと思われるものであれば、改革者の言葉は強いメッセージ性を発揮し始める。そして改革者は熱き心の社員を「この指とまれ」で組織化することを目指す。

p.53 (赤字経営に陥っている会社の症状)
・顧客の視点はどこへ行った?競合の話は?内向きの話ばっかり
・「負け戦をしている」という自意識がない。
  ・個人として「赤字の痛み」を感じていない。責任を皆で薄めあっている。
・社員が外部の会社に不満を垂れ流している。会社の看板を背負うことを投げ出している。

p.74 攻めの成長会社では、ラインの責任者が自ら議事を組み立て、自ら進行を仕切り、自ら問題点を指摘し、自ら叱り、自ら褒めることをしている。(中略)ラインによる攻めの仕事が減り、スタッフ中心の「守りの業務」が主流になっている沈滞企業では、組織の柱であるラインよりも、副次的存在であるはずのスタッフ同士のコミュニケーション網のほうが発達していることが多い。

p.103 改革シナリオを検討する初めの段階では選択肢を規制しない。問題点の探索をなるべく広く行う。問題の本質が見えてきたら、そこから選択肢を絞り始める。

p.136 (あるセクションリーダーの話)彼らを巻き込むのは私の責任ではないと思っていたのです。とにかく、何一つ動かない組織ですからね。だから私は改善を工場の中だけに限定したのです。しかしそれは「顧客の視点」を見失っていたということであり、「商売」を忘れていたことに他なりません。

p.142 社員に戦略が見えていないというときに考えられる第一原因は、戦略が「組織末端まで伝わっていない」という場合ですね。

p.143 経営改革において「組織の再構築」と「戦略の見直し」はワンセットで検討することが不可欠である。現実には、組織をいじり回す事を先行させてしまう経営者が圧倒的に多い。

p.151 社員のマインド・行動を束にするには、①明確な『戦略』が示されること、②社員が迷いなく走れるようにシンプルなビジネスプロセスが組まれていること、この二つが鍵だ。
p.188 この人が善玉、あの人が悪玉、あるいは営業が善玉、開発が悪玉とか言う分類ではなく・・・社員一人ひとりの中に善玉・悪玉が同居しているのです。

p.206 人々に「強烈な反省論」を迫るときには徹底的な事実・データに基づく追い込みが不可欠である。言い切る確証が得られないこと、反駁される余地のあることはプレゼンの内容に含めてはならない。

p.209 古い体質の個人を作り上げたのは会社自身の責任である。その視線を忘れずに、特定個人や部署を攻めず、古いシステムが現実に引き起こしている問題だけをクールに指摘し続ける。

p.220 社長が本質をつき、深との知的応酬が盛り上がれば、その組織は必ず元気にある。社長がつまらない質問をするなら、権威主義だけがまかり通る。

p.229 戦略の内容の善し悪しよりも、トップが組織戦略末端での実行をしつこくフォローするかどうかのほうが結果に大きな影響がある。

p.232 戦略的な攻めの改革が「人減らし改革」だと受け取られてしまうと、改革者のやることなすことすべてに対して社員は防御的になる。これらふたつを同時に打ち出すことは愚作である。

p.245 (同じ社員が)強烈な反省論を語れば、「同じ社員のお前に言われたくない」という反応が出やすい。そこで第三者あるいは「歴史の部外者」が問題点の指摘を行った。それを逃げとして行うのではなく、論理の権威付けと組み合わせ、納得性を高めることが重要である。内容のレベルが低ければ、今度は「分かっていることを外ものに言われたくない」という反応が強まる。

p.257 反対行動をとる社員には、説明、説得、叱責、切捨てを含め、「熱い心」と「明快なストーリー」で徹頭徹尾指導し、改革者の「覚悟」を示すことが必要である。

p.289 仮説は人々を不安にし、猜疑心を生む。大多数の社員は経営の先読みなどできない。それほど経験も視野も与えられていないからである。だから、リーダーが先読みを行い、決断し、皆に分かる言葉でそれを語り、不安と混沌の中を走り抜けなければならない。

p.296 危機感は自然発生的に生まれたり、ボトムアップで生まれたりするものではない。(中略)リーダーが人為的に作り出すものなのだ。成功する改革はリーダーの下でまとめられる「強烈な反省論」から始まる。それは気軽なものではない。社員が上層部や他部署をあげつらって溜飲を下げることをやめ、全員が「自分もまずかった」と強烈な自省の念に駆られるものでなければならない。つまり会社の痛みを個人レベルにまで分解することが鍵である。

p.298 改革にストーリー性をもたせられるかどうかの勝負は、シナリオ作りの段階ではなく、「原因ロジック」を整理する段階からすでに始まっているのである

p.299 内容の劣ったシナリオは社員の「マインド・行動」にインパクトを与えることができない。それが「説得性不足」の壁である。その壁を乗り越えるためには、シンプルで強力なシナリオが提示されなければならない。しかし皮肉なことに、シンプルで強力なシナリオは逆に社員の心に猜疑心や不安を呼び起こしかねない。鋭い改革案であればあるほど、今度は単純化や変化への抵抗心理が頭をもげてくるのである。そこで大切なことは、①シナリオが論理的権威性に裏付けられていること、②分かりやすいストーリー性をもっていること、そして③改革リーダーが「熱い語り」をもって不退転の姿勢を示すことである。


V字回復の経営―2年で会社を変えられますか (日経ビジネス人文庫)

三枝 匡 日本経済新聞社 2006-04
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20110801

音楽の記録 / rei harakami

Rei Harakami 

2011年7月亡くなられたレイ・ハラカミさん。
電子音の心地良さに気づかせてくれた感謝を込めて。

Daft Punk"one more time"にノックアウトされた大学1年生。

その翌年にはSuper Furry Animals"Juxtaposed With U"などヴォーコーダーなど電子音に心動かされていた同時期に、"red curb"というアルバムに出会いました。

それは、もう、ただただ心地良かった。
期待の一歩先を行く音の連なりにもう完全に虜になりました。



彼の音楽は、本当に心地良く、楽観的で、愛らしい。
時に遊びごころに見事に遊ばれたりもする。

アルバム"lust"のjoyは文字通り楽しい曲です。


くるりの名曲"ばらの花"なんかもリミックスしたり、矢野顕子と組んだりもしています。


本当にありがとうございました。
子供ができたら聞かせたい。



 

20110726

音楽の記録 / 結婚パーティー

結婚パーティー March 2009

このブログは自分のcultureの部分を記録するということで始めました。


じゃあ自分の結婚パーティーで流した曲も記録として残しておこうということで、恥部をさらすようで恥ずかしいのですが私たち夫婦が友達を招待した結婚パーティーで流した曲たちを残してみます。


自分の記録と、何かの参考になれば。
時系列で記録してみます。



【待ち時間】


入場までの待ち時間、自分たちの生い立ち写真とは別に、来てくれた友達への感謝を込めて私たちが持っている写真を流させていただきました。その時に流した曲。


サニーデイ・サービス / 恋は桃色, Intro



はっぴぃえんど / 風をあつめて



もう、これは結婚式うんぬんじゃなくて流したかった。


【入場】


Jakson 5 /  The Love You Save



「君が好きだー、君も本当は僕のこと好きなんだろ?マイベイビー」っていう一方的な妄想的な恋の曲だと私は解釈してます。
まぁ、ラブラブしすぎてなくて私たちらしく、出だしもインパクトがあるから一番目にしました。


Super Furry Animals / Juxtaposed With U


これ、もうすごい好きな曲なんです。
キラキラした雰囲気が1曲目にも合っているのではないかと迷ったんですけど、愛だの恋だのの曲でもないので、残念ながら2番目にもっていくことに。



【式中】

The Beatles / P.S. I Love You
                    Strawberry Fields Foever
                    The Long Winding Load
                    In My Life


小沢健二 / 今夜はブギーバッグ


The HIGH-LOWS / 千年メダル

私の名曲。結婚式にふさわしそうな曲を選んでみました。
Strawberry ~はどうか分かんないけど、四の五の言わず流したかった。


実は言うと式中は、流れていたのあんまり知らない。


【生い立ち写真流し時】


くるり / 春風


はっぴぃえんど「風をあつめて」と肩を並べる珠玉の名曲。
情景が思い浮かぶ曲ってのはそれだけで名曲だと思います。(PVはえらくダサいけど)


【スピーチ時】

中村一義 / いつも二人で

中村一義の名盤「太陽」より。ピアノがよかった。歌詞の内容も終盤にいいのではないかと決めました。
写真見直すとこのころから酔ってます。


【退場】

小沢健二 / それはちょっと

Jackson5 / The Love You Saveに対する返答。この歌詞の照れく隠しも私たちらしい。


RCサクセション / 雨上がりの夜空に

2008年3月、まだ清志郎が病気と闘っている時期。早く治ることへの願いとオマージュをこめて。

1次パーティーで酔ってしまったので、その夜はおまえに乗れるわけもなく、3次会で生まれて初めての寝ゲロをしました。

==
結婚式は自分たちの人生の分岐点。ラブソングっていう制約を設けてはいますが、ここで選ぶ曲が、やっぱり自分の根底にある好きな曲なんだなと、見直してみて改めて思いました。(嫁には有無を言わさず私が決めました。)

やっぱ自己マンですね。



 

20110710

本の記録 / 中村仁

右向け左の経営学  中村仁  グラフ社


先日、ホットペッパーとfacebookのクーポン問題について話題になった中村仁さんの著書。

この間スクリーングパッドにても講義をしていただき、話がすごく参考になったので、講義では省略されたストーリーを知りたく、この本を購入しました。

中村さんは大手メーカーや広告代理店と異色の経歴の持ち主で、とんかつの豚組や、和風スタンディングバーの壌などを運営されています。

飲食業界のtwitter関連の著者としても有名な方です。

以下、本文についてです。
==

まず、圧倒されたのは
「百年後『老舗』と呼ばれる店を作ろう」(p14)
という考えについてです。

今、私は店を作ることのみについて考えていて、こうした先についての考えはありませんでした。“あなたにはスタートだったの、私にはゴールでも” ってやつです。

しかも、100年後まで。
先を見る姿勢って当たり前なんですけど、ハッと気づかせていただきました。

 人々の生活を真摯に見据え、より豊かで楽しい生活とは何かを考える(p15)
その店ならではの哲学とたゆまぬ進化(p15) 
 時代や社会の変化に固執せず、進化しながら老舗をつくっていこうとも説いています。


西麻布にある壌のできた背景や、こだわりなんかも書かれています。

壌ができた頃には、立ち呑みというと安っぽいイメージしかなかった。立ち呑みだから椅子もない。

新しいスタイルを取り入れ、椅子がないということを逆に強みにしたのです。
まず、椅子がないため、席によって決められる、いわゆる、“上座・下座”という概念がなくなり、お客様が全員平等の立場でいられます。と、同時に、席もテーブルもないため、必然的にお客様同士の距離が縮まります。(p87)

 また、会社として採用・人についても書かれています。
そのようになスタッフになるための適正はあるのでしょうか。私はやはりある程度あると考えています。まずポイントになるのは感受性や想像力です。(中略)またお客様が喜んでくれることにうれしさを感じる人であれば、その人はサービス業に向いています。(p153)
私は、タイプの異なるさまざまな人材を、共通する目標や夢で束ね、一つのチームとして機能させることを大切にしています。(中略)大リーガーは一人ひとりの個性がとても強くて、普通はなかなか一つにまとまらないものです。それでもチームとしてまとまるのは、勝利あるいは優勝という大きな目標があるからにほかなりません。
私は“料理人は職人の最たるもの”だと思っています。ここでいう職人とは、“志と誇りを胸に自分の技術だけを頼りにして、高い目標を目指して生涯をかけて精進し続ける人”という人を意味します。(p161)

オーナーシェフではないがゆえに、おそらくさまざまな苦労があったかと思います。

私の経験で言うとホールと厨房で壁ができたりと、なかなか難しい。
それを見事にクリアされたからこそ、今の店があるのだと思います。


最後に経営についても述べています。
グレイスで店をつくるとき、絶対にコンセプトという言葉を使いません。そういう言葉を私自身が好んで使えば、頭でっかちな人ばかりが集まってきて、結果ロクでもない店しか作れなくなることは、火を見るより明らかです。(中略)なぜなら、店はそこを経営・運営する人の哲学や人生観、理想が込められてこそ、本物になるからです。(p179)
私たちの会社も、仮に「厨房を見せろ」「納品書を見せろ」と言われたら応じるぐらいの覚悟でやっています。何かクレームをつけられたら、誠心誠意きちんと対応して説明します。そこでごまかしたり、嘘をついたりすることはありません。要するに、“裏”を作らない、ということです。
真摯に飲食業を経営されていることがわかる著書であり、また前述のホットペッパーの件では、いち早く所見を表明し、経営者としてのあるべき姿を見せていただき、勉強になりました。

中村 仁 グラフ社 2008-07
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飲食店のtwitterについてもおすすめです。

中村 仁 日本実業出版社 2010-06-24
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20110708

映画の記録 / いのちの食べかた

いのちの食べかた  監督:ニコラウス・ゲイハルター


「飲食に携わる者としていつか見なきゃね」、とヨメと言っていたもののパッケージに描かれた牛の解体写真を見るたびに、ついつい後回しにしてきてしまいました。

だって、ね...

好き好んで残酷な映画を見る時間も、心の余裕も...

でも、次のステップに取り組もうとしている今、意を決して見ることに。
(ヨメは途中で寝ましたが。。)

セリフらしいセリフはない90分程度のショートムービー。

ヒヨコ、トマト、オリーブ、豚、牛、鮭といったいのちが、消費者に届くために、選別され、摘まれ、機械によって冷たく扱われ、解体されていく現場の様子が淡々と流れていきます。

飲食業に携わる者としての私の経験ですが、店舗では「原材料=食材」として商品を発注して、それが大量のロットで納品されて、そこに手を加えてお客様に「料理」として提供しており、発注した食材を自分や店の提供する作品(=料理)の一部としてしか見ていないようなことがありました。

というか、そこまでも考えていない、慣れてしまい感覚がマヒしてしまっているんですね。

もちろんそれは材料という無機質な言葉で表わされるはずもなく、元々は「いのち」なのだということを強く再認識することができました。


飲食業界に携わるということは、すなわち、頂いた「いのち」に接する機会が多いということ。
飲食業に携わる以上、責任を持って、「いのち」のありがたみを届けることここに強く誓います。

何が正しい正しくないとかではなく、食べるということはいのちを頂いているという事実があり、その事実を知るためにこの映画を見てみてるのはいい経験だと思います。

詳しくは下記サイト
いのちの食べかた

20110701

映画の記録 / 父 パードレ パドローネ

父 パードレ・パドローネ   パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ  イタリア


イタリア・サルデーニャ島。
羊飼いの父子の物語です。


父(パードレ)であり、主人(パドローネ)である父親が小学校から息子を連れ去るシーンから始まります。理由は羊の世話をする人手が足りないため。
その息子が、厳格な父親に従いながら(従わざるを得ず)20歳になって島を出て・・・



イタリア語を学んでいた大学時代、イタリアは識字率がつい最近まで低かったことを聞きました。掟や文化、家族を優先するイタリアならではの昔ながらの文化があり、生活のためには教育を二の次にする。
それに一石を投じる映画、

自らが学習することの大切さ、家族とは、固定観念を打ち破るのは自ずからだといったことを考えさせられる映画でした。


幼少期や、島にいる間の青年期の主人公の目から見えるサルデーニャ島の情景が素晴らしい。
音楽や、思春期ならではのシーン、ユーモア、カメラアングルなど前半がすごく面白い。北野映画を見ているみたいな爽快感。

イタリアにもう一度ゆっくりと行きたいです。