20110102

本の記録 / 広告コピーはこうやって書くんだ!読本

広告コピーはこうやって書くんだ!読本 谷山雅計  宣伝会議


p18 けれど、それをつくったタランティーノ監督は、「なんかカッコいいぞ」「なんかすごいぞ」と思いながら撮影したわけではありませんよねp。(中略)受け手は一生、「なんかいいよね」「なんかステキよね」と言い続けます。「作り手」は、「なぜいいのか。これこれこうだからじゃないか」と考え続けます。

P37 ほかの人の気持ちを分かってあげるのと同じように、昔の自分の気持ちを覚えておくことで、本当にたくさんの気持ちを自分のものにすることができます。人間って、今の自分がかわいいから、今の自分を中心に考えて、昔の自分を忘れようとしたり、否定したりしがちです。でも、「あの時に自分はこう思った」という気持ちは、いまの自分にはない大切な視点なんです。

P47 「広告はふつうの人の知性を期待してもいいが、ふつうの人の意欲を期待してはいけない」(中略)いまの時代の広告の受け手って、じつは広告慣れしてきているので、それなりに高度な“知的お遊び”も、理解してついてきてくれます。

P57 「自分のペンの力で、今ある状況を美しく描こう」と考え出すと、ちょっと方向がズレてきます。むしろ考えてほしいのは、「自分のペンの力で、今ある状況をなんとかかえてみせよう」ということ。コピーの第一の目的は、「描写」ではなく「解決」なのです。

P67 要は、コピーを書いたときに「本当にこう思っている人はいるのだろうか」と、しっかり考えることができるかどうか、です。このウソをきちんと見抜けないと、人を動かせないコピーをバンバン書いてしまうことになります。

P77 まず書くときは、論理や意味で書いて、そのあとを自分自身で「生理的にどう感じるか」とチェックする。

P102 もとから大阪の人たちが心の中でお国自慢のようにおもっていたことで、スキさえあれば「言いたいな、言いたいな」と考えていた意見です。

P109 コピーを書こうとするそれぞれの商品に対しても、必ず誰かが言いたくなるような意見があるはずです。それをみつけて、うまく受け手に言いたいことを言わせてあげられるような表現をつくる。

P129 いい広告というのは、一見、ネガティブアプローチのように見えても、結果としては、商品や企業がもっているところを、ポジティブに助長しています。

P154 正論を口にしようとすると、人間はどうしても「自分はただしいことをしているんだ」と思いこんで、妙に居丈高になってしまいがちです。つい、教え諭したり、訓示を垂れたり、説教しようとしたりしてしまいます。しかし、いくらその中身が正しいことでも、上からものを言うような姿勢では、聞いた人の気持ちは動かないし、そもそも反発を食らうでしょう。(中略)正論を表現するときこそ、サービス精神が必要です。

P167 いい企画をつくれる能力がないうちに、体裁のいい企画書を書こうとすると、ウソをつくようになってしまいます。「CMのこの部分では、商品の先進性を表現しました・・」などと、実際には考えてもないことをさも考えたかのように書いてみたり、取りつくろったりしてしまいかねない。

P186 受け手のあなたが「あ、そういえばそうですね」と答えてくれたとしたら、それが「コピー」だと思うんです。(中略)ちょっと表現は難しいけれども、「そういえばそうだね=コピー」は、「知っているのだけれども、ふだんは意識の下に眠っているもの」だと思います。誰でも知っている「そりゃそうだ」でも、誰も知らない「そんなのわかんない」でもコピーにはならない。そうではなくて、「知っているのに意識の下に眠っているもの」を言語化することいよってよみがえらせてあげる。

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